仕事柄、企業の管理職の方と接する機会が多くありますが、それにしても現代の管理職は、本当に幅広い役割を求められる、と感じます。
リーダーシップ力やマネジメント力など新たなスキルを求められ、その他、「働き方改革の実践」「労働時間削減の実践」「生産性向上の実践」「メンタルヘルスやハラスメントの予防」「部下育成」「中期経営計画に基づいた部門目標の達成責任」などなど、上げたらきりがありません・・・
それでいて、多くの管理職の方は、プレイヤーとしての役割も求められるプレイングマネージャーであるため、個人の成果は出しつつも、上記のような役割と責任を果たすことが必要になってきています。
このような管理職の役割をみると、本音では「管理職になりたくない」「管理職になるのは面倒だ」という方が多くなるのも、当然かもしれません
しかし、組織においては、本人がやりたいことや好きなこと、本人の価値観よりも、原則として会社内での役割や業務命令が優先されます(当たり前ですが)
厳密には雇用契約の内容によるところもありますが、雇用される側(労働者)には、労働を提供する義務はもちろん、企業のビジョン実現のために期待される役割を果たす義務も含まれています。
もちろん、現在人手不足も影響しており、人材の多様化も求められてきていますので、企業側もできるだけ個別の事情や価値観を優先して企業内の役割とマッチさせようという意識が高まってきています。
ですが、どんなに多様化が進もうとも、原則として雇用される側は、会社から求められる役割を演じる必要がある、ということなのです。
特に、管理職になることで、個人では苦手だと避けていたことや、自分の常識としてきたことを超えなければならないこともあるかもしれません
また、【今現在のご自身の価値観やスキル】と【会社から求められる役割と責任】とにギャップを感じたり、ジレンマを感じたり、ストレスを感じたりすることが出てくるかもしれません。
ですが、決して個性をつぶしたり隠したりする必要はなく、俳優さんや女優さんがドラマや演劇の中で、それぞれの役割を演じるように、自分らしい「管理職役」を演じる、ということが大事なのではないかと思います。
ドラマや演劇もそうですが、歴史上の有名人物(例えば徳川家康や豊臣秀吉など)は、これまで多くの役者さんが演じてきました。
もちろん、どの方の演じた役が正解で、どの方が演じた役がお手本である、というわけでもありません。
管理職という役割も同じであり、当然、管理職に求めらる共通のスキルはありますが、完璧な管理職役を目指すのではなく、自分の個性や強みを活かした管理職を演じることを目指しましょう
そして、こうした役割を演じるためには、【個(自分の自我)】を強化する、ということが大事です。
なぜなら、役割を演じるためには、その役割の「仮面」をかぶらなければなりませんが、【個】が弱いと仮面をかぶることができず、仮面と一体化(役割と一体化)してしまい、役割に浸食されてしまうこともあるからです
※個人的には「個」が弱い方が、無意識に役割に浸食されてしまい長時間労働やメンタルヘルスなどが起きているのではないかと感じています(←あくまで主観です)。
もともと日本語は主語が少なく、日本人は【自己主張】が弱い、【個】が弱いといわれていますが、まず自分という【個】がしっかりすれば、複数の仮面をかぶることも可能です。
これからの時代、多くの仮面を平行してかぶることが求められますので、今後は1人1人の【個】の強化というところもより必要になってくるのではないか、と実感しています。
※身近な役割の「仮面」としては、「母親」「父親」「夫」「妻」「娘」「息子」「姉」「兄」「弟」妹」「先生」「生徒」「役員」なども該当します!
どの役割の仮面をかぶるときも、自分の【個】を活かして、自分らしい、自分の強みを活かした役割を演じられるといいですよね!!
弊社では、1to1コーチングを通して、企業の管理職の方のリーダーシップの強化とあわせて、管理職という仮面をスムーズにかぶれるような【個】の強化も行っていきたいと思います!!!!